デビルウィスパー122
軽い吐息をつき、ソファに腰掛けた。ぼんやりと天井を眺めつつ、幸一は何かを思考している。しかし、考えがまとまらないのか、首を横に軽く振りつつ、テレビをつけた。
そこにはニュースが報道されていた。テロップが中々印象的だ。『連続殺人鬼、またも出てしまった被害者』。
が、もはや終わりかけていたそのニュースを、幸一は無感動に聞くだけ。いや、だった、と言うべきか。
この一言がアナウンサーの総括から出るまでは。
「しかし、今日も早朝に被害者が出てしまいました……御覧の皆様も夜間の外出は……」
「……どういうことだ? 早朝だと?」
……気付いたか。新聞は処分したんだがな……
「アストは何処に行った?」
(買い物だろうさ)
何の買い物かは、オレの存ぜぬ所だが。
幸一はテーブルに置かれたメモを凝視する。文を読もうとしているのではない。その証拠に、幸一の左眼の色は反転している。
メモから読み取れるのは、決意の色。
「クソッ!」
幸一はメモを握りつぶし、漆黒のコートを羽織って外に駆け出した