デビルウィスパー142
「こんな小細工して……!」
煙が張れると、そこには何もない。あたしが求める獲物の姿は無い。
服についた粉を落とし、辺りを油断なく見渡すが……獲物はいない。どうやら二階、あるいは三階へ逃げたようだ。あたしはゆっくりと感覚を研ぎ澄まし……二階に、息を殺した気配がある。間違いない、獲物は二階にいる。
どうせ不意打ちでもしかけようと言うのだろう。あたしは鼻を鳴らし、二階の廊下を歩く。そして、死角から襲ってくる算段を崩すために力を行使した。
右側の、二年五組の教室の壁目掛けて。壁が砕け散り、ドアが夜の彼方に飛び、ガラスがバラバラに砕け散った。
「一つ目は外れ。でも、いつかは当るよね?」
クスクスと、あたしは楽しい笑みを浮かべた。