デビルウィスパー145
戸崎西まであと五百メートルと言ったところだろうか、馬鹿でかい音が学校から聞こえてきたのだ。思わず舌打ちしてしまう。
「チッ……本格的にヤバイぞ……!」
俺は点滅を繰り返す信号機は無視し、台詞とは裏腹にさらにアクセルを踏み込む。
回転数をあげるエンジン音を相殺するかのように、ドォォォン、ドォォォンと、稲妻さながらの轟音が連続する。
俺は強引にハンドルを切り、半ばドリフトしながら戸崎西の校門前につけた。
……距離が近いせいか、一際強い音が、しかも何回も聞こえてきた。地面が揺れて、事情を知らなければ地震なのかと疑うだろう。恐怖で鳴りそうな歯を噛み締めながらシートベルを外し、外に出て俊也と共にアストに肩を貸し……しかし、
「音が……やんだ?」
聞こえてこない轟音とやんだ地鳴りに、俺達も動きを止めた。
俺達は呆然と、半壊した校舎を見つめ、不吉な予感を拭い去ることが出来なかった。