デビルウィスパー124
「グチッててもしょうがないか……出たとこ勝負になるけど……」
! 引っかかった!
眼を閉じ、さらに私は知覚力を高める。
前回相手にした薄い気配とは正反対の、殺気丸出し。この街にいる、テリトリーを形成している異端種ではないのは明らか。
「ちょ、ちょっと待ってよ! 心の準備も出来ていないのに!」
向こうも私に気付いた……こっちから仕掛けようと思ってたのに……!
落ち着いて。落ち着くのよ、アスト……えと……幸一はこういう時、どうしてたっけ?
「……確か、人気のない、広い場所がいいのよね?」
でも、ここからじゃあの公園は遠い。奴はズンズン私の方に近づいてきているし……
私は風を飛ばし、五分以内に辿り着けて、さっき言った条件に当てはまる場所を探す。
……あった! 大きな建物の側に、とっても広い敷地がある。しかも好都合なことに、人の気配は無いし、建物には明かりすらついていないようだ。
私はそこに向かって駆け出した。